知覚過敏におすすめの歯磨き粉
こんにちは、福岡市西区の歯医者、わたなべ歯科クリニックです。DATA:2019.10.07
皆様、歯がしみて痛いと感じた経験は少なからずあると思います。
もちろん、虫歯や歯周病等によるものは、専門的な歯科治療が必要不可欠です。
しかし、虫歯でないのに歯がしみる=『知覚過敏』が原因であることもよくあります。
今回は『知覚過敏』のお話です。
まず、知覚過敏を理解する為にも歯の構造の再確認です。
冷たい物を、お口に入れた時、歯の象牙質の部に温度刺激が到達すると、歯の神経(歯髄)が脳へ痛いと信号を送ることで、温度差により信号の大小により痛いと感じます。
1番外の外壁にあたるエナメル質がある程度温度を遮断してくれてはいますが、冷たすぎたりすると、内側の象牙質に温度刺激が到達してしまいます。
象牙質は、象牙細管といわれる小さいトンネルの集合体みたいなもので、この象牙細管内の組織反応により、知覚過敏が生じます。(動水力学説)
わたなべ歯科クリニックが知覚過敏におすすめする歯磨き粉
第1位 システマセンシチイブ(LION)(歯科医院専売品)
歯科医院専売品です。知覚過敏に有効な、硝酸カリウムと乳酸アルミニウムの2種類の有効成分が入っています。
1 即効性・持続性の2つの薬用成分が、知覚過敏の症状をダブルブロック。
硝酸カリウム:歯髄神経を鈍麻し、直ちに刺激の伝達を抑制 ⇒ ブラッシング時の痛みをケア。
乳酸アルミニウム:露出した象牙細管を封鎖し、持続的に痛みの伝達経路を封鎖 ⇒ 飲食時の痛みまでケア
2 知覚過敏と併発の多い歯周病や根面う蝕も予防
IPMP(イソプロピルメチルフェノール):バイオフィルム内部まで浸透・殺菌。
トラネキサム酸:歯肉の炎症・出血を予防。
MFP(モノフルオロリン酸ナトリウム):再石灰化を促進。
3 細部のプラークコントロールをしっかりサポートするソフトペーストタイプ
4 長時間ブラッシングに適した低研磨・低発泡・マイルドな香味
第2位 シュミテクト(gsk)
市販で購入可能ですが、硝酸カリウムの1種類のみ有効成分が入っています。
使い方のポイント
※毎日のブラッシングに、知覚過敏に有効な歯磨き粉を使用することで、知覚過敏の症状の緩和や予防がより有効的になります。また、しみて気になる歯の部分に、直接手で取り歯に擦り込み、5~10分放置するとより効果的です。擦り込んだ後は必ずうがい等はして下さい。
もちろん、わたなべ歯科クリニックでは症状に合わせて知覚過敏の治療を行っています。
■知覚過敏の治療方法
●薬の塗布・コーティング材
露出した象牙質を薬で覆うことで、歯を保護して外部からの刺激を遮断し、知覚過敏の症状を抑えます。
「フッ化物が配合された薬」もしくは、「レジン(樹脂)・歯科用セメントで象牙質をカバーするコーティング材」を使用。薬剤は、1回塗布して終了ではなく、症状によっては数回塗布することもあります。
また、「レジン(樹脂)・歯科用セメント」などのコーティング材を使用する場合は、日常の歯磨きでコーティング材が擦り減っていってしまうので、数ヶ月ごとに足していく必要があります。
その間に、歯の再石灰化でエナメル質が修復されれば、薬の効果がなくなっても、コーティング材が擦り減ってしまっても症状が出なくなり、知覚過敏が治ることもあります。
●レーザー治療
知覚過敏の場合、露出した象牙質にレーザーを照射することで、歯がしみる症状を軽減することができます。
●歯周病の治療
歯周病などの歯周疾患が原因で知覚過敏が起こっている場合は、歯周病の治療も行います。
歯周病になると歯肉が下がり、象牙質が露出しやすくなるため、知覚過敏の症状が出やすくなります。これ以上歯周病を進行させないために歯周病治療を行ないますが、歯石を取ることで、今まで歯石に覆われていた象牙質が露出し、症状が一時的に強く出ることもあります。歯周病治療とあわせて、「薬の塗布・コーティング材・ナイトガード(マウスピース)」などの知覚過敏の治療も行っていく必要があります。
●ナイトガード(マウスピース)
歯ぎしりが原因で知覚過敏になっていると思われる場合は、歯ぎしりを最小限に抑える治療を行ないます。
『ナイトガード(マウスピース)』という歯をカバーする器具を使用し、歯ぎしりによるエナメル質の破壊を防ぎます。また、「咬み合わせ」が悪い場合は、歯を削って咬み合わせをよくする『咬合調整』も行います。
●消炎鎮痛剤の服用
知覚過敏の痛みがひどい場合には、「消炎鎮痛剤」を服用することで、一時的に、歯がしみる症状や痛みを抑える治療も行ないます。ただ、これは根本的な解決にはなりませんので、知覚過敏の治療もきちんと行っていきます。
●神経を抜く
上記の治療を行なっても知覚過敏が治らない、症状が強く生活に支障が出ている場合、相談して後、最終手段として神経を抜く治療を行なう必要もあります。